数学の出来る馬

馬知識

馬が数学の難問を解くと聞いて、あなたは信じられますか?

1890年過ぎから1900年初頭にかけて、ドイツで飼育されていた【ハンス】という馬が、足し算や引き算はおろか人間でも理解が難しい文章問題や累乗の計算問題や平方根の含まれる問題さえも正確に説いたという事例があるため、この記事ではその【ハンス】について紹介いたします。

賢馬ハンス

数学の出来る馬の噂

ハンスが問題に回答する時は、蹄で地を打ち鳴らした回数によって数字を表すことで答えの数字や何択かの選択肢を表していた。

加減乗除や数学の文章問題だけでなく、曜日に関する質問にも答えられたというから驚きだ。

やがてハンスの噂は世界に広がり、ニューヨークタイムズにもハンスに関する記事が載せられたという。

そして、ハンスの能力が本物であるのかということに注目があてられることになった。

真偽の実験

ドイツの様々な機関がハンスの能力の真偽を確かめるために実験を行った。

まずは、ハンスの飼い主ヴィルヘルム・フォン・オーステン卿によって調教され、あらかじめ答えの分かっている問題しか答えられないのではないかという仮説の元、機関が用意した問題を出したところ、これは簡単に正解してしまった。

その後も様々な実験が行われた。

結果として、ハンスは数学の問題を理解してはいないという結論になった。

何故なら、ハンスは1+1の答えを聞かれても、答えられる場合と答えられない場合がはっきり分かれるのである。

例として

出題者と答えを聞く人が別になる場合

・出題者は問題を出したらすぐに退出し、答えを聞く人はどんな問題が出題されたかを知らない状態だと、ハンスは簡単な問題でも解答することは出来なかった。

遮眼帯等を使って馬から出題者が見えない状態の場合

・出題者の様子が見えない状態になると、ハンスは正確に解答することが出来なかった。

上記の事から、ハンスは『出題者や周りの人の反応を見て正解となる数字を導き出していた』と判明した。

例えば、【3+4】であれば、7回蹄を打ち鳴らしたところで出題者や観衆が「お!正解の回数まで鳴らしたけどここで止まるかな?」と期待して微妙に表情や仕草が変化してしまう。

ハンスはこの小さな表情や仕草を読み取って、答えを出していたとされています。

ハンスのよる功績

このハンスに対する実験から出た結果は、【クレバーハンス効果】

と呼ばれ、今でも様々な分野で厳密に留意すべきこととして動物実験や調教の場で役立てられている。

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