競走馬が語源の英単語・英熟語

競走馬 馬トリビア

以前、馬を表す英単語シリーズ【伝説の名馬エクリプス〜Eclipse first, the rest nowhere〜
を投稿しましたが、今回は逆に馬が由来となって出来た英単語と英熟語を紹介していきます。

Upset

『番狂わせ』や、『ひっくり返す』という意味で使われる単語。

語源には諸説ありますが、アメリカのヒーローホースであるマンノウォーMan O’ Warという馬を唯一破った馬にの馬名がアップセットUpsetであった事から、番狂わせという意味での用法が広まったとされている。

マンノウォーは、今でもアメリカ競馬史上最高の競走馬とされる事も多く、単に競走馬という枠組みだけでなく、アメリカの著名なスポーツ選手の枠でもその名が挙げられる事もあるくらい偉大な馬となっている。

真っ赤に燃えがるような美しい紅栗毛の馬で、その馬体から『ビッグレッド』という愛称で呼ばれています。

マンノウォーは生涯成績21戦20勝という素晴らしい記録を持っているが、唯一の敗戦となったのは1919年、2歳の夏に開催されたサラトガ競馬場のサンフォードステークス

2歳にしてすでに巨大な馬体を有していたマンノウォー。

巨大な馬は基本的にスタートが得意ではないと言われているが、マンノウォーはこれまで出遅れを経験した事がなかった。

しかし、このサンフォードステークスで、マンノウォーは初めてスタートで出遅れ気味となってしまう。

出遅れた事に狼狽えてしまったのか、その後のレース運びは良くなく、内を突こうとして詰まってしまい、再度外側に振られる場面があったりと、思うようなレース運びが出来ていないような様子が見られた。

猛烈に追い上げたマンノウォーだったが、先頭の馬に僅かクビ差届かず生涯唯一の敗戦を記録した。

この時の勝ち馬がアップセットであった。

当レースで起きた番狂わせを新聞社が紹介した際に、Upsetという単語を『番狂わせ』という意味で用いたことが用法の広まるきっかけであったとされている。

Devon Loch

1956年、イギリスの大レースグランドナショナルでの出来事。

デヴォンロックという馬が大差をつけて先頭で走っていたところ、ゴール前50mの地点ででヘッドスライディングをした。

この奇妙な出来事から、『思いがけないことが起きる』という意味で

To do a Devon Loch』という熟語が作られることになる。

当時デヴォンロックに跨っていたのは後に有名な小説家となる名騎手ディック・フランシス

グランドナショナルという世界的な障害の大レースで快走し、一着は確実かと思われたゴール前50m地点で、なんとデヴォンロックは前脚を投げ出し、まるでヘッドスライディングのような体勢を取って転んでしまう。

当然落馬となり、ディック・フランシスは栄冠を手にすることは叶わなかった。

世にも奇妙なこの事件は原因が不明とされており、一説によればゴール前の影に驚いてしまったとか、疲れのピークで足がもつれたとか、様々な憶測が飛び交っている。


競走馬が由来の英単語や英熟語

いかがでしたでしょうか。

スポーツの場では意外と使いどころの多い物達ですので、機会がありましたら

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