世界には様々な名前がある。
中には興味深い意味を持った名前もたくさんあるが、その中でも今回は「馬」に関する意味を持った名前を紹介していきたい。
カーター(Carter)
英語圏の人名でよく使われているものであり、元々は「馬車を引く人」の意味を持つのがCarterだ。
昔は移動手段としてよく使われていたのが馬車であり、実は馬車を表す英単語は非常に細かく分けられている。
- バギー (buggy) – 1頭立ての軽装馬車
- カブリオレ (cabriolet) – 1頭立ての2輪幌馬車
- キャラバン (caravan) – 大型の幌馬車
- キャリッジ (carriage) – 2頭または4頭立ての4輪馬車
- キャリオル (cariole) – 1頭立ての小型馬車
- チャリオット (chariot) – 古代の2輪戦車、または18世紀の4輪軽馬車
- コーチ (coach) – 4頭立ての4輪大型馬車
- クーペ (coupé) – 2人乗りの4輪箱型馬車
- ワゴン (wagon) – 通常2頭立て以上の4輪荷馬車
- カート (cart) – 1頭立ての2輪荷馬車
- コネストーガ(Conestoga)-大きく幅広の車輪を持つ大型の幌馬車
上記の中でも一般的にとりわけ多く使われていたCart。
1頭立ての2輪荷馬車を運転する仕事をしていた人がこのCartを名乗るようになったのだろう。
そして、馬車関連の名前は他にもある。
ワグナー(Wagner)
ドイツで一般的な名前であるWagner
こちらも荷馬車を作る人や荷馬車を引く人を意味する名前である。
ドイツで有名なフォルクスワーゲン(Volkswagen)のwagen部分も同様の意味を持っている。
Volkswagenの車の中にはPoloというものがあり、馬に乗りながら行う球技の一つであるポロが由来であるとされています。
ドイツは馬文化の根付いた国であり、馬のエンブレムを使っている車であるポルシェの本社があるシュツットガルト(牝馬の園という意味)があったり、障害馬術発祥の地であるアーヘンがあるなど、人名のみならず様々な馬に関する土地を見ることもできます。
フィリップ(Phillip)
英国王室などでもよく聞く名であるPhillipも実は馬に関する名前である。
元々はギリシャ語やラテン語で「馬を愛する者」を意味するPhilippos(フィリッポス)を由来としていて、スペイン語圏ではフィリペと形が変わるなど、世界中に由来を同じとする名前が存在している。
実は「フィリピン」という国名もこのフィリップと関係があり、16世紀にスペイン領であった頃のスペイン国王であるフィリペ二世から付けられたとされています。
また、たばこメーカーとしても有名である「マルボロ」を製造している会社は「フィリップ・モリス」であり、偶然か否かマルボロのパッケージには馬が描かれている。
これはマルボロがカウボーイ向けのたばこ販売戦略を取り成功したことも関係していると思われるが、フィリップモリス社は他にも「ダービー」という名のたばこも販売しており、何か馬との強い縁を感じざるを得ない。
欧州各地の王族や貴族に多く存在する名前でもあり、馬に関する名前が高貴な存在に多いことはなぜだか誇らしい。
ローズ(Rose)
これは意外に思う方が多いのではないだろうか。
Roseは元々「馬」という意味だったのである。
元々は古英語で馬の事を「hros」という単語で表していた。それがだんだんと変化していき、「Horse」と「Rose」に分化したとされている。
やがてRoseの方は使わなくなり、Horseに統合されることになるのだが、Roseが昔は馬を指していたとは驚きである。
昔は一般名詞を人名として使うことが多かったようで、その中の一つとしてRoseが使われていたようだ。
もちろん現代使われているRoseは「薔薇」という意味で用いられていることがほとんどであり、いわゆる「馬ちゃん」の意味で使われることはないと思われる。
馬(マー)
中国で多い名前として有名である「馬」
まさに馬そのものであり世界で最も馬らしい名前といっても過言ではない「馬」さん。
アリババグループのCEOである「ジャック・マー」も本名は「馬 雲」であり、中国人では13番目に多い苗字である。ちなみに日本で13番目に多い苗字は「佐々木」である。
佐々木と同じくらいの比率で中国には「馬」がいると思うと結構すごいのではないだろうか。
また、韓国にも同様に「馬」という苗字が存在しており、元々は馬を扱う職業についていた人たちが由来だとされている。
いかがだっただろうか。
世界中に馬に関する名前が存在しており、私もそんな名前だったらよかったのに、なんて思うことも少なくない。
日本にも馬に関する名前は多く存在しており、苗字であれば「馬場」や「相馬」「馬渡」などがある。
名前にも馬が使われることは珍しくなく、「優馬」や「翔馬」「春馬」「拓馬」「和馬」など数々のバリエーションがあり、その種類は世界的に見ても多いのではないだろうか。
ちなみに私が一番好きな馬ネームは「美馬」である。
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