皆さんは『白馬』と聞いてどんな馬を思い浮かべるだろうか。
王子様が乗るような美しい白い毛色の馬を思い浮かべる方が多いだろうか。
では、白馬の毛色は何だろうか。
一見意味がわからないと思うかもしれないが、実は非常に面白い問いなのである。
今回は白馬の毛色について深堀していこう。
白馬
白馬とは白い馬の事である。
これは当たり前の前提だが、ここからが重要だ。
白い馬にはいくつか種類がある。
- 芦毛
- 佐目毛
- 白毛
大きく分けて上記三種類である。
それぞれの毛色について解説していこう。
芦毛
芦毛とは、比較的よく知られた馬の品種であるサラブレッドにおいて約7%程を占める毛色である。
芦毛の発現は長らく謎であったが、近年のスウェーデンの研究チームによると25番染色体の膜貫通受容体が変異することにより、メラニンが異常に生成され皮膚に着色が行われることが元となっているようだ。
他の毛色と比べて非常に多くのメラニンが生成されることにより、毛をかき分けて皮膚を覗くと芦毛馬は皮膚が他の馬よりも黒いことがわかる。
皮膚にメラニンが多く沈着していくことによって、毛の先まで行きわたるはずだったメラニン色素が早期に枯渇し、6歳ほどから大きく白化してしまうのだ。
「白馬」として映像作品や写真に出てくる馬はだいたいがこの芦毛で、白化が進んだ高齢馬である。
芦毛以外の白馬は非常に珍しく簡単には手に入らないことから一般的には白馬というと高齢の芦毛馬の事を指すと考えてもいいだろう。
この芦毛の発生するメカニズムには一つ問題もあり、芦毛馬は他の毛色の馬と比べて「悪性黒色腫」通称メラノーマといういわゆる皮膚がんの発症率が7倍も高いという研究結果が報告されている。
皮膚にメラニンが多く沈着することによって皮膚がんが発生しやすくなってしまっているのである。
佐目毛
聞きなれない毛色である「佐目毛」
日本で主流の品種であるサラブレッドには存在しない毛色であるため、佐目毛というものを知らない人も多いのではないだろうか。
膜関連輸送タンパク質遺伝子の一種である変異型MATP遺伝子(別名クリーム様希釈遺伝子)というものの働きによって発現する毛色であり、体全体がピンク色の肌であり、青っぽい目、白から象牙色の被毛及び長毛が特徴である。
佐目毛が白い理由は、メラニンが体内で上手く化合されず、メラニンの数が少ないことが挙げられる。
メラニンを生成するためのメラニン細胞自体は他の毛色と同様に存在しているのだが、そこでメラニンが生成されないことが佐目毛の特徴である。
佐目毛と同系統の毛色には河原毛や月毛などが存在し、それぞれサラブレッドには存在しないが美しい毛色なのでぜひ一度見てみることをお勧めします。
白毛
白馬といえば真っ先に「白毛」と思う方も多いことだろう。
しかし、馬において白毛は非常に貴重な毛色であり、その発現確率は0.01%~0.02%程ともいわれている。
現在でもその発生メカニズムはちゃんと解明されておらず、複数の遺伝子がその発現に関わっていることまでは知られている。
白毛が白い理由は、受容体型チロシンキナーゼという遺伝子の働きによって、メラニン細胞の数が少なくなり、生成されるメラニンの数が極端に少なくなることが原因であるとされている。
白変種の一種であるが、いわゆる「アルビノ」ではない。
アルビノはほぼ色素を持たないが、白毛は色素自体は持っているため、目の色が黒っぽいことから違いを判断できる(アルビノは目が赤っぽくなる)
白毛馬はここまで紹介してきた毛色の中で最も白く、生まれた時から生涯を通してずっと白いこともあり、正真正銘の白馬といえるだろう。
まとめ
白い馬には3種類の毛色がある
- 芦毛高齢馬
- 佐目毛の馬
- 白毛の馬
どれも魅力的で、白馬はいつの時代も人々を魅了し幻想的な雰囲気を我々に見せてくれている。
あなたも今日から、白い馬を見つけた時に「あの馬は何という毛色だろう」という疑問を持って考えてみてほしい。
馬の毛色は魅力にあふれている。それは白い馬だけにとどまらず、黒い馬も、茶色い馬もとても面白い話を持っている。
各毛色の魅力についての話もまたいつか紹介していきたい。



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