競走馬の名前には、アルコールに由来するものが多く存在しています。
有名なサラブレッドだと、タニノギムレットやウオッカ、アプリコットフィズなど様々な馬がいます。
ギムレットは18世紀にイギリス海軍がビタミンCの不足を補うために船上で飲んだとされているカクテルであり、アルコール度数25%を超える強いお酒です。
タニノギムレットは、このギムレットのようにキレのある走りをしてほしいという願いを込めてつけられた馬名のようです。
ウオッカはタニノギムレットを父に持つ馬で、父よりも強い度数のお酒で、割らずに飲んだ方が強いという意味で冠名のタニノを除いて付けられた馬名となっています。
このように、様々な願いが込められた馬名ですが、逆にお酒側にも馬に由来する名前のものがあるので紹介していきます。
カクテル
ホーセズネック
ブランデーをジンジャーエールで割り、グラスの縁にレモンを刺すと出来上がり。
グラスに刺さったレモンが、馬の首に見えた事から名付けられたとされています(諸説あり)
モスコミュール
ウオッカをジンジャーエールで割り、ライムを添えたら出来上がり。
モスコはMoscow ロシアのモスクワのこと
ミュールはMule ラバを表す英単語です。
モスクワのラバに蹴られたような強い衝撃を受けるお酒という意味を込めて名付けられたようです。
ダービー
大レースダービーにちなんだ名前のカクテル。
ジンベースのものと、ウイスキーベースのものがある。
ミントジュレップ
グラスにミントと大量の砂糖と水を入れ、中のミントを潰し、そこへバーボンを注いでクラッシュアイスとミントを添えたら完成。
ミントジュレップ自体は昔から飲まれていて、直接は馬と関係ある訳ではないが、現在はアメリカのケンタッキーダービーの公式ドリンクとしてレース当日と、前後数日のパレードの中などでよく飲まれている。
ウイスキー
ホワイトホース
スコットランドのエディンバラで誕生したスコッチウイスキー
元々はエディンバラにある宿で馬車に乗る客に振る舞っていたウイスキーだと言われています。
スコッチウイスキーの五大銘柄の一つとされていて、日本でも広く使われているため、スーパーやアルコールを提供するお店では大体置かれています。
ブラントン
アメリカのケンタッキー州で製造されているウイスキー
珍しい事にキャップの部分に騎馬がいます!
ケンタッキー州はブルーグラスステートとも呼ばれていと、馬産の盛んな地域である事から、先駆者に敬意を払ってこのデザインが作られたとされています。
騎馬のデザインは全8種あり、ケンタッキーダービーでスタートからゴールまで走る様子が見られます。
今飲んでいるボトルはどの騎馬かな?と見てみる楽しみ方もありますので、ぜひ気にしてみてください。
ターコネル
アイルランドで製造されるアイリッシュウイスキー
ラベルに競馬で疾走する馬のデザインが施されています。
1830年代に蒸留所を経営してたワット氏の持ち馬がダービーで大番狂わせを演出して優勝したエピソードに感動して、自身のウイスキーに相馬のデザインを入れたとされています。
ハイランドクイーン
スコットランドの女王であったメアリー・スチュアートにちなんで名付けられたウイスキー
メアリーが跳ね馬に乗りリースに上陸する際の様子がラベルに描かれています。
スコッツ・グレイ
スコッツグレイ騎兵連隊という、芦毛馬だけを用いて騎馬隊を作っていた無敵の軍隊を名に冠したウイスキー
強そうな名とは裏腹に優しい味がするとの評価がされています。
ワイン
ワイルドホース
ワインに使われる葡萄畑の近くに野生馬がいた事から名付けられたのされているワイン
野生馬のように力強いワインで、自由に楽しめるものであるという思いが込められたボトルだそうです。
エクウス
スペインで醸造されるワイン
エクウスは馬の学名であり、醸造所のオーナーが大の馬好き出会ったことから馬に敬意を評して名付けられたとされています。
トールホース
ホースと付いていますが、ラベルに描かれているのはキリンです。
南アフリカのワインであり、キリンの動きのように優雅にゆっくり時間をかけて作ったワインという意味のようです。
名称以外に馬要素はないので注意
ダークホース
アメリカのカリフォルニアで製造されるワイン
ダークホースとは競馬用語で、素性は分からないが活躍しそうな馬のことであり、飲む人を驚かせるような、予想を超える美味しさのワインとなるようにという願いが込められているようです。
ちなみに、ダークホースにはビッグレッドブレンドというものがあるが、ビッグレッドとはアメリカで活躍した名馬マンノウォーの愛称でもあった。
燃え盛るような赤い栗毛と巨大な馬体から付けられた愛称であり、もしかしたらこちらも関連があって使われているのかもしれない(私の調査では関連性は確認できていません)
ボルドーワイン
ボルドーワインのラベルには、ワイン葡萄を運ぶ馬が描かれているものがある。
昔からワイン製造のための動力として活躍している馬に敬意を払ってのことのようです。
ヤルンバ
オーストラリアで製造されるワイン
かつてワイン製造に深く関わりのあった馬がラベルに描かれています。
ラベルの馬は過去と伝統を象徴しているとのこと。
ラスコー
まだ字がない時代の壁画に馬の絵が描かれているラスコー洞窟にちなんで付けられた名前
フォーティーンハンズ
アメリカのワシントン州で製造されるワイン
ワシントン州にいる力強い仔馬達の背丈が約14ハンズ(約142.24cm)だった事に由来し、この馬達のように力強く辛抱強くワイン作りをするという決意のもとに命名されたようです。
その他、カヴァリエ、パタゴニアなどもラベルに馬を見ることが出来る。
日本酒
七冠馬
1984年に日本競馬史上初めて無敗で三冠を達成して、後に合計で7冠まで獲得したシンボリルドルフを由来にして作られた日本酒
近年ではウマ娘シンボリルドルフのイラストをラベルにデザインしたバージョンのボトルも販売されている。
上げ馬
三重県で製造される日本酒で、三重県桑名市で行われる上げ馬神事に由来して名前が付けられた。
若駒
栃木県で作られる日本酒
栃木県のある地域では初午の日に馬が村を駆け回る風習があり、その際に馬が日本酒の製造所に飛び込んできたことから名付けられたとのこと。
千駒
福島県の日本酒
福島では昔から馬市が盛んにおこなわれており、馬達の逞しい蹄の音に酒を重ね人々の健康を願って命名されたようです。
その他、寒立馬や馬が合うなどの銘柄もあります。
焼酎
馬赤
熊本で製造されている焼酎
馬肉に合う焼酎として作られており、飲んだ人がついつい「うまか!」と叫んでしまう酒という意味を込めて名付けられたとのこと。
赤兎馬
三国志に登場する呂布の愛馬赤兎馬にちなんで名付けられた焼酎
赤兎馬のように流麗で力強い焼酎であるようにという思いでこの名が付けられたようです。
その他、の馬、くろうま、﹅馬、馬、左馬、馬花誉(うまかよ)、馬芋ん(うまいもん)、鉄馬、馬歯酒、馬之助など多数ありますので、機会があれば飲み比べしてみてください。
オマケ
バー
お酒といえば、おしゃれなバーで飲むのも雰囲気が合って楽しいですよね。
では、バーの語源はご存知でしょうか。
アメリカで酒を提供する店に馬に乗って来る客が多く、馬を繋いでおくための棒(バー)を設置していた事からバーという名前が定着したという説があります。
ワインと馬の関係
昔まだ機械がなかったころはワイン葡萄を運ぶ動力に馬を用いていた農家が多く、馬が葡萄を運ぶ際などに葡萄の木を蹴って傷つけてしまわないように、気の周りにバラの花を植えていたと言います(バラは棘があり馬が本能的に避けるため)
今でも昔の名残でバラの花を植えている農家がフランスにはあるようなので、ぜひ一度見てみたいものですね。
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