流鏑馬という競技を知っている方は多いと思います。
しかし、流鏑馬と似た競技が他にも二つあり、全て合わせて騎射三物(きしゃみつもの)呼ばれている事を知っている方は少ないのではないでしょうか。
今回は流鏑馬を含めた騎射三物について紹介していこうと思います。
流鏑馬(やぶさめ)
まずは有名な流鏑馬
古式弓馬術と呼ばれるものであり、馬に乗りながら鏑矢で的を射る競技です。
特徴としては、2町(約218m)の区間で左手方向にある三つの的に向けて矢を射るもので、馬場から的までは約5m、またの高さは約2mとされています。
この流鏑馬が由来となり、右手は馬の手綱を持って操るため馬手(めて)、左手は弓を持つため弓手(ゆんで)と呼ばれます。
流鏑馬の呼び名の由来は蒙古語のヤブサムメリーから来ているという説があります。
神事としての流鏑馬は、細かな作法などの取り決めが行われているが、スポーツとしての競技性を確立した競技流鏑馬も行われています。
笠懸(かさがけ)
二つ目は笠懸
笠懸というものは、流鏑馬と似てはいるが別物であり、より実戦的で走る距離が長く、的までの距離も遠かったり近かったり、的の高さが高かったり低かったり、的が左手側だけでなく右手側にもあるなど難易度が高いものもあります
遠笠懸、小笠懸、籤笠懸、神事笠懸、百笠懸、七夕笠懸など様々な派生があり、それぞれ細かな決まり事の違いがあります。
犬追物(いぬおうもの)
三つ目は犬追物
40間四方の馬場を使い、12騎一組の、三組が競い合う競技です。
馬場の中には150匹もの犬を放ち、騎乗者は馬の上から弓を射て犬に命中させていきます。
単に矢を犬に当てるだけではなく、いる時の挙動や、当たり方によって得点が変わるため、2騎ずつの検分者と喚次が配置されます。
犬追物で使われる矢は、犬を貫いてしまわないように鏃(やじり)を使わず鳴鏑(なりかぶら)という物を大きくし、安全性を向上させたものを使うのだが、それでも動物愛護の観点からいつしか行われる事は無くなっていってしまいました。
流鏑馬、笠懸、犬追物を合わせて騎射三物と呼び、平安時代頃には馬に乗る事が武士にだけ許されており、武芸の中でもこの騎射三物は最高位のものだったようです。
この騎射三物以外にも、日本の伝統的な馬術として、宮内庁で行われている打毬や母衣引などもあります。
流鏑馬は有名ですが、他の騎射三物もそれぞれ個性があり、機会があれば一度見てみたい魅力的なものですので、ぜひ、頭の片隅に覚えておいてください。
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