ガリヴァー旅行記という作品をご存知だろうか。
船医であるガリヴァーが世界を冒険し、様々な国で起きた出来事を綴った冒険譚ですが、このガリヴァー旅行記には馬の国が存在していることを知らない人は多いことでしょう。
子ども向けの絵本やアニメでは
小人の国
巨人の国
この二つだけがピックアップされていることが多いが、原作ではその他にも様々な国が描かれているのです。
今回はその中でも特異な馬の国について紹介していこうと思います。
馬の国〜フウイヌム〜
原作では第四篇、冒険の最終章でガリヴァーが訪れることになるのが馬の国、物語の中ではフウイヌム国と呼ばれている。
馬の姿をした生物が統べる国であり、その国に棲む生物はフウイヌムと呼ばれている。
フウイヌムは知的で高貴、戦争や疫病を知らず、決して悲観することがない。
イギリスの貴族の制度を風刺しているとされていて、ガリヴァーはこのフウイヌムの生き方に大きな影響を受けることになります。
フウイヌムを悩ませる存在として、ヤフーという種族もこの国にいて、ヤフーは人間の醜い部分を過大に表現した種族として描かれています。
同族間で絶え間なく争いを続けていて、意味もなく輝く石を欲していたり、アルコールを含む植物の根を摂取して酩酊状態を楽しむなど、堕落した生活をするヤフーは正に知性を失った人間のようです。
フウイヌムはヤフーを害獣として認識していて、まだヤフーは大きな知性を持たないため脅威ではないが、これからガリヴァーのように知性を手にしたら脅威となりうることを危惧していました。
ガリヴァーもヤフーを醜い存在だと思い、フウイヌム国で生活をするが、あるときヤフーの雌に襲われ、交尾を迫られてしまう。
そこでガリヴァーは、自分もヤフーからは同種とみなされている事に気付き、嫌悪感を抱くことになります。
やがてガリヴァーはフウイヌムからもヤフーと同族であると考えられ、国を追われることになるが、母国イギリスに帰還した後も、自分は人間よりもフウイヌムのような存在でありたいと願い、人として家屋で生活するよりも、馬小屋で馬達とフウイヌムから習った馬語で会話して寝泊まりすることを好んだいいます。
人の醜さと、馬の高貴さを描いた、考えさせられるストーリーとなっていて、まだ読んだことのない人にはぜひ原作を一読する事をオススメします。
馬の国意外にも、ラピュタの元となったとされている、空飛ぶ国ラピュータなども収録されていて、全編通して、人間のあらゆる性質に問題提起をする風刺作品となっています。
フウイヌム国で登場するヤフーは、検索エンジンであるYahoo!の由来ともなっていて、現代に残る様々な企業や作品に影響を与えた素晴らしい作品なので、馬知識とともに、様々な物事に関する知識や知見を深める一環として、ガリヴァー旅行記を楽しんでみてください。
ガリヴァー旅行記で、ガリヴァーは馬の国へ行っている。
馬の国にはフウイヌムという馬のような生物が棲んでいる。
フウイヌム国にはYahoo!の社名の由来となったヤフーという種族も棲んでいる。
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