盲目であったり、弱視であったりする人の目となる役割がある盲導犬
動物の中では頭もよく人間に従順であることからこの盲導に用いるのには犬が適任であるが、実は犬以外にも盲導に使える動物がいることをご存知でしょうか。
それが馬であり、盲導馬というものが存在しています。
ミニチュアホースという非常に小さな品種を調教して盲導馬として活用していく試みがあり、実際にアメリカなどではすでに実用化されています。
盲導馬
盲導馬が使われる利点としては
- 盲導馬は、犬と比べて寿命が長い事
- 犬よりも視野が広く、広い範囲の情報を得ることが出来る事
- 犬よりも力が強く、緊急時に人を抑えることが出来る事
- 犬アレルギー等があっても利用できる事
- 犬恐怖症や、宗教上の理由で盲導犬が利用できない人でも利用できる事
上記の点が挙げられています。
1.寿命が長い事
盲導犬はまず適性がある犬が1歳までの間に選別され、1歳から2歳の間に盲導犬としてのトレーニングを積み、そして2歳以降に実際に盲導犬として活躍していくことになるものが多い。
そして、犬の寿命は13年程であるため約10歳ほどで盲導犬を引退する犬が多く、活躍できる期間は約7年~8年程となっています。
これに対して馬の寿命は25~30年程であり寿命が長いため、盲導馬は3~4歳から調教を始めて5歳くらいから盲導馬として活動を開始して、その後15年以上、長ければ20年以上はパートナーとして活動することが出来ます。
出来るだけ同じパートナーと共に生活したいという盲導犬利用者が多いことが研究結果から分かっているので、寿命が長く、長い期間をパートナーとして過ごすことが出来るのは大きな利点の一つとなっています。
2.視野が広く危機察知能力にたけている事
犬の視野は80~110度、視力は0.2~0.3程度と言われています。
馬の視野は350度、視力は0.6~0.8程度とされており、犬と比べて視野も視力も優れており、草食動物であることからも危険を察知する能力に長けており、日常の様々な危険を素早く察知してパートナーの身を守ることが出来る。
3.力が強く、緊急時に人を抑えることが出来る事
ミニチュアホースでも犬と比べて大きな力を出せるため、万が一パートナーに危険が迫った時などに人を止めるほどの力を発揮して制止することが出来る。
例えば道を渡ろうとした後に車が急に迫ってきたような場面で、すでに歩を進めた人を止めるのには意外と大きな力が必要であるため、盲導馬のように馬力を用いて制止出来た方が効果的であると考えられています。
4.犬アレルギーのある人でも利用出来る事
動物アレルギーがあり、犬に触れられないような人でも、馬であればアレルギー反応を示さない場合があるため、アレルギー持ちの人が盲導馬を利用できるようになれば生活の幅を広げることが出来る。
5.犬恐怖所や宗教上の理由で盲導犬が利用できない人でも利用出来る事
犬に対して恐怖心のある人も多く、そんな犬恐怖症の人でも盲導馬という選択肢があれば生活の幅を広げることが出来ます。
また、イスラム教圏では犬の唾が不浄のものとされているようで、家の中に犬を入れるのを嫌がる人たちがいます。
そのように宗教上の理由で犬の利用が難しい人にでも盲導馬であれば利用できるという選択肢が出来るため、多くの全盲、弱視の人に希望を与えています。
まとめ
まだまだ一般的な認知度は低い盲導馬ですが、盲目の人の目となる大切な役割を担っています。
様々な利点はありますが、一方で
飼っていくのにお金がかかる
そもそもの値段が高い
日本式の住居では狭く室内飼育が困難である
といった欠点も挙げられますが、実用化が進み盲導馬が増えてくれば、馬の生きる道が増え馬の普及にもつながるため、馬好きとしてはその活躍を希います。
盲導馬の、今後の更なる普及のために認知度の向上と、研究等の進歩が期待されますね。
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