「たまにはご馳走でも食べようか」
誰しも何度かそんなことを思った経験があると思う。
「ご馳走」という言葉には馬編が使われているが、何故馬編なのかはご存じだろうか。
「馳せる」というのは馬などを早く走らせることを表す言葉です。
つまり、実はご馳走という言葉は「馬に乗って各地を走り回り、様々な良い品を集めて作ったもの」という意味から生まれたものなのである。
馬に乗り、色々な場所を訪れて良いものを探し、誰かをもてなすか、はたまた自分へのご褒美とするのか。
いずれにしても、今ほど流通が発達していない時代に品物を集めるのは大変であり、人の足だけでは集められない良いものを集めて作られたものということで【ご馳走】の意味は生まれたのです。
ご馳走という言葉が生まれた当時の主な移動手段であった馬が、日常で活躍していたことがこの言葉から感じられる。
それが現代では、少し足を伸ばせばある程度の品物は手に入れることが出来るようになったが、少しでも良いものを手に入れようと思うと、やはり少し遠出しなければならない人もまだまだたくさんいる事でしょう。
自転車に乗り、少し離れたショッピングセンターへ行くでしょうか。
もしくは、車を運転し、大きなデパートなどに行くでしょうか。
はたまた、電車に乗って大きな駅へ行き、有名な店で買い物をするでしょうか。
私たちが現代で使うこれらの乗り物も、実は馬との関わりが深い。
自転車の原型となった乗り物は、車輪の付いた木馬のようなものであるホビーホースという名前で呼ばれていました。
現代の車の車輪に使われているゴム製タイヤは、疝痛で膨らんだ馬のお腹を見てダンロップ氏が発明したとされています。(参照記事:馬とタイヤの関係)
電車が止まる「駅」は、元々は「駅伝制」という制度により各地に出来た、伝令のために馬を乗り継いで移動する際の中継地点であり、馬を繋いで置いておく場所の事を指していました。(参照記事:駅伝と馬の関係)
自転車を止める駐輪場、車を止める駐車場、電車の止まる駅、全てに馬編が使われていることも、何故だか馬好きにとって誇らしく感じます。
日常の至る所に溢れる馬知識。
皆さんも、日常のふとした場面に潜む馬知識を、ぜひ探してみてはいかがだろうか。
※一般社団法人コーチトラスト様【CTコラム #36】への投稿記事の改訂版
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