ホースセラピー

馬知識

皆さんは【ホースセラピー】というものをご存知でしょうか。

馬介在療法や乗馬セラピーなどとも呼ばれ、色々なケアや両方として馬が用いられる活動を指しています。

セラピーの内容は様々なものがありますが

乗馬や馬の世話、馬とのふれあいを行うことによる身体的な効果や精神的な効果が期待できるものとなっています。

身体的効果

ホースセラピーを行うことによる身体的な効果として期待できるものは

  1. 馬に乗ることによるリハビリ効果
  2. 曳き馬をすることによる運動効果
  3. 馬のブラッシングや馬装を行うことによる運動効果
  4. 馬房掃除等を行うことによる運動効果

などがあります。

近年の研究では、馬に乗ってゆっくり馬が歩くことで、騎乗している人は歩行しているのとほぼ同じ下半身の運動効果が得られるとされています。

半身不随で下半身が上手く動かない人などが乗馬を行うことにより無理なくリハビリが行えるとして大きな注目を浴びています。

また、乗馬を行うことによって下半身のストレッチ効果もあり、脳性麻痺等で関節が固まってしまっているような方が乗馬を行うと関節の可動域が広がるという研究結果も発表されています。

曳き馬とは、馬に綱を繋いで引くようにして一緒に歩く運動で、綱を持ちながら馬と一緒に歩くととにより無理なく全身を使った運動効果が得られるとされています。

馬と一緒に歩くことにより一人で歩くよりも精神的に楽に運動が行えることも利点の一つです。

そして、馬の世話を行うことも大事なセラピー活動の一つです。

身体に障害を抱えるなど上手く体が動かない方が、馬に少しでもブラシをかけてあげたい、体を拭いてあげたいという思いから前向きに体を動かし、それがリハビリの役割を果たすこともあります。

さらには、馬に関わるだけでなく、馬の小屋いわゆる馬房掃除を行うこともセラピー活動の一つと言えます。

初めは馬が怖くて近寄れない方もいて、まずは馬のお部屋掃除から初めて見るというのも手です。

この馬は馬房のこの位置にまとめてボロ(馬糞)をする。この位置で横になるからここに寝藁が寄っているなど、馬房の様子から読み取れる馬の情報を伝えながら一緒に馬房掃除をすることで馬に興味を持ってもらう事と共に全身を使う運動となるので、セラピー活動への導線且つ立派な運動効果が期待できるものとなっています。

精神的効果

ホースセラピーを行うことによる精神的な効果として期待できるものは

  1. 自分よりも大きな生き物を動かしているという満足感
  2. 馬に乗ることにより目線が高くなりいつもと違う景色を見られる爽快感
  3. 馬から感じる温もりによる癒し効果
  4. もっと上手に乗りたいという向上心の芽生え

などがあります。

馬に乗って、歩行を行う事だけでも精神的満足感が得られるだけでなく、馬から感じる温かさが安心感を与えてくれます。

近年では引きこもりや不登校児童等を対象にホースセラピーが行われている場所もあり、社旗復帰等へのホースセラピーの活用も期待されています。

乗馬を行った後に、お世話になった馬に人参をあげたいという思いを抱くこともホースセラピーにおいては大切なもののひとつで、自分が他者に働きかけていきたいという人との関わり方を学ぶ一歩となるのです。

大きくて優しい生き物である馬と関わることにより、人間の方もその優しさを知って、学び、やがて自身も誰かに優しくしていきたいと思えるようになっていきます。

また、会社の研修として乗馬のレッスンや馬の世話体験などを行うプロジェクトも実際に行われていて、言葉を交わせない生き物の気持ちをどうやって汲み取るのか、どうすれば馬が気持ちよく行動できるのか等を考えていくことが社会人としての考え方の根幹として必要になるものであるとして注目を集めています。

実際の活動

現在日本では限られた場所でしかホースセラピーは行われていませんが、ドイツなどでは【医療】としてホースセラピーが行われていて、セラピーを受けるのに保険が適用されます(日本では参加は自己負担)

また、ホースセラピーが普及した場合馬の需要も増え、今まで用途が見つからずに処分されてしまっていた馬に新たな生きる道を見つけることも期待されています。

まだまだ研究段階であり大きく普及はしていませんが、馬の持つセラピー効果は大きな可能性を秘めています。

いつか日本でも広くホースセラピーが行われる日が来ることを希います。

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