馬術競技

馬知識

皆さんは【馬術】と聞いてどんなスポーツを思い浮かべますか?

オリンピック競技としても行われている馬術競技ですが、実は様々な種目があります。

今回は数ある馬術競技の中でも【国際馬術連盟】(FEI)が認定している競技7つを紹介いたします。

馬場馬術

馬場馬術は陸上のフィギュアスケートとも表現される競技で、馬を美しく且つ正確にコントロールする技術と調教の質が評価されます。

騎乗者は馬に乗っていないように、馬は人を乗せていないように見せることが大切で、世界選手権レベルになると、傍目からは馬が自らの意思で動いているように見えます。

国際馬術連盟の『馬場馬術競技会規程』では、馬場馬術の目的を以下の通り定めています。

馬場馬術の目的は調和のとれた調教により馬を幸あるアスリートに育て上げることにある。その結果、馬は沈着で、関節の柔軟性や伸び伸びとした前進性、筋肉の柔軟性といった数々の上達を見せ、騎手の指示に注意深く敏捷に従い、自信に満ちた演技を見せるようになる。そこに人馬一体の妙技ができあがってゆく。

パラ馬場馬術

馬場馬術には障害者競技もあり、パラ馬場馬術と呼ばれています。

馬術競技は男女の区別なく行われる競技であり、初めて女性として馬術でメダルを獲得したのは身体障碍のある方だったという。

障害馬術

障害馬術は人馬がコースの中に設置された障害を飛越しながら回り、走破タイムを競う競技です。

障害を落としてしまった場合や、馬が飛越を拒否した場合(反抗)は減点の対象となり、原点の扱い方はルールによって異なる。

 いくら速いタイムでゴールしても減点が少ない者をより上位とするルール

 減点数により走破タイムに一定のタイムを加算するというルール

などがある。

近代五種の競技のうちの一つとしても採用されている。

日本人としては1932年にバロン西(西竹一)選手がロサンゼルスオリンピックで金メダルを獲得し、馬術競技では日本人として唯一メダルを獲得した例となっています。

総合馬術

3日間かけて行われる競技で

1日目 馬場馬術(調教審査)

2日目 クロスカントリー(耐久審査)

3日目 障害飛越(余力審査)

という順番で競技が進行していきます。

特に2日目のクロスカントリーが目玉であり、屋外の広いコースを自然の起伏などを活かした障害として利用して走破するものであり、距離は短いが難易度の高いコースと、距離は長いが比較的安全なコースが両方設定されている場合もありどちらを選ぶかは選手の判断に任されているため、どちらを選んでいくのかも見どころの一つである。

FEIにより規定された「FEI総合馬術競技会規程」の第500条によると

「総合馬術競技は馬術の要素をほぼすべて盛り込んだ複合競技であり、多岐にわたる馬術競技での経験と自馬の能力に対する的確な認識を選手に求め、馬には正しい情報に基づく理にかなった調教で培われた一定の総合能力を求めるものである。」と謳われている。

馬車競技

馬車競技は日本ではあまり馴染みのないのもですが、海外では様々なルールの元行われている人気の競技です。

1頭立ての馬車から、2頭立て、4頭立てなど、馬の数によって競技が分かれている事や

ドレッサージュ(馬場)、マラソン(クロスカントリー)、コーン(障害通過)などの種類に分かれている。

ドレッサージュ

馬車を操りながら様々な動きを魅せる事により動きの美しさや自然さを評価する競技

マラソン

馬車を操りながら行われるクロスカントリーであり、いかに複数の馬を正確に操れるかがポイントとなります。

コーン

馬車を操りながら障害をクリアしていく競技で、障害馬術のように障害を飛越するのではなくコーンの間を通り抜ける事で進んでいく。

馬車の車輪とコーンの幅をしっかり計算して動かさなければならないため熟練の技術が必要となります。

レイニング

ウエスタン馬術の競技の一つで、ブリティッシュ馬術の馬場馬術に当たるもの(ブリティッシュとウエスタンについてはまた別記事で紹介しようと思います)

マヌーバと呼ばれる規定の動きを行い、動きの美しさ等を採点するものと、フリースタイルのものがあり、馬場馬術と比べると荒々しく激しい動きが多く見られます。

大きな特徴としてワンハンド(片手)で手綱を操り、持ち手を変えてしまうと失格となってしまいます。

軽乗

調馬索という綱に繋がれた状態の馬が円運動を行い、選手はその馬に並走したり、飛び乗って馬上で逆立ちをするなどの様々な技を繰り出して採点が行われる競技です。

馬の落ち着きや調教の進み具合、選手の運動神経など非常に高度な技術が必要で見ていてハラハラする競技です。

エンデュランス

最後に紹介するのはエンデュランスという馬に乗って行われるマラソン競技のようなものです。

競技のレベルによって様々な距離の種目があり、初心者向けの10km程度のものから世界最長距離はアメリカで行われるテヴィスカップというものでなんと160km!!

馬の騎乗者もいかににスタミナを温存して走れるかということと、ポイントごとに設置されているインスペクション(馬の健康状態チェック)で規定値以上の心拍数であったり馬の歩様が悪いと即失格となってしまいます。

馬と騎乗者の信頼関係が試される競技であり、優勝タイムで走破することはもちろん、ベストコンディション賞という走破した騎馬の中で最も健康状態の良かった人馬に贈られる賞を受賞することも大きな誉れであるといわれています。

まとめ

いかがだったでしょうか。

様々な馬術競技があり、それぞれ違った魅力があります。

国際馬術連盟が競技として行っているのは上記のものですが、これら以外にもまだまだたくさんの馬術競技や馬を扱う競技が存在しますので、また別記事で紹介していきたいと思います。

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