様々なスポーツで【ダービー】という言葉を聞いたことがある人も多いだろう。
野球やクイズなどで使われるダービーは競馬のダービーが語源となっている。
その歴史は何と1780年まで遡ることになり、その偉大な歴史は今でも競馬界で輝かしく語り継がれている。
ダービー
第一回開催年:1780年
距離:2420m(2022年現在)
競馬場:エプソムダウンズ競馬場
歴史
1779年、第12代ダービー伯爵エドワード・スミス・スタンリー氏の別荘の庭で、3歳牝馬によるマイル戦が開催された。
このレースはオークス荘という、ダービー伯爵の別荘地の名を取り、オークスと呼ばれるようになる。
オークスの成功を見て、牡馬による競走も行ったらどうかという話が持ち上がることとなる。
ダービー伯爵と、友人のトマス・バンバリー準男爵が、協力して新たに牡馬のレースも立ち上げる事になるのだが、この時両者が互いに相手の名を冠するレース名を提案した。

お世話になったので、レース名はバンバリー準男爵の名を取ってバンバリーステークスにしましょう。

いえいえ、ダービー伯爵の別荘で行うのでダービーステークスにしましょう
ダービー伯爵はバンバリーステークスを
バンバリー準男爵はダービーステークスを
互いに譲り合いが続き、結局はコイントスの結果によってレース名が決められることとなる。
このコイントスの結果、レース名はダービーステークスに決まり、今までずっと使い続けられてきた。
この時のコイントスの結果が違っていたら、もしかしたら今の世の中のダービーと名のつくあらゆるものが、バンバリーという名前だったのかもしれない。
ダービーは、創設当初はオークスと同じく1600mのマイル戦であったら、まもなく1マイル4ハロンへと延長され、2400mの距離となる。
現在は使われているコースは4代目であり、再計測の結果少し1マイル4ハロンよりも長い事が判明したが、伝統を重んじるイギリスは、長く使われてきたコースをそのまま使って行くことを決定し、現在ダービーの距離は2420m程であるとされている。
現在世界中で、この本家イギリスダービーを元にした様々なダービーが開催されています。
日本・・・・・日本ダービー
フランス・・・フランスダービー
イタリア・・・デルビーイタリアーノ
スペイン・・・スパニッシュダービー
アメリカ・・・ケンタッキーダービー
カナダ・・・・カナディアンダービー
などなど
ダービーは優秀な繁殖馬の選定のために行われているという名目があり、そのため去勢された馬は出走できない。
過去にはイギリスの本家ダービーにも騸馬が出走できた時代もあるが、優勝した例はない。
世界を見てみると、騸馬が出走できるダービーを開催している国もある。
ほとんどの国ではダービーには3歳馬しか出走出来ないが、中には4歳馬までなら出走できるものや、何歳でも出られるが一生に一度しか登録出来ないというものまで、様々な条件が付けられていて、各国のダービーについて調べてみるのも面白い。
逸話
100年以上前にイギリスの首相であったウィンストン・チャーチルは、
ダービー馬のオーナーになる事は、一国の宰相になる事よりも難しい
ウィンストン・チャーチル元首相
上記のような発言を残したとされている。
実際に一国の宰相となった人が言った言葉ともなると重みが感じられる。
だが、真実としてはチャーチル首相がそのような発言をしたことはないとされており、そんな話が作られてしまうほどダービーは勝つことが難しく偉大なレースであるという事が窺い知れる。
1913年のダービーにて、婦人参政権を求める運動を行っていたエミリー・デイビソンという女性が、突然コース上に飛び出し、レースに出ていた国王所有の馬と激突
女性は間もなく亡くなってしまったが、この行動はダービーという国民が注目する舞台で国王所有の馬の前に飛び出すことによって自身の行っている運動に注目してもらおうという狙いがあったとされているが、実際の理由はいまだに明らかになっていない。
まとめ
様々な伝説や逸話が残るダービー
各国のダービーの違いや、自国のダービーの歴史を調べてみると、実にたくさんの人馬の物語が詰まっていることに気付くことでしょう。
約2分~2分半ほどのレースですが、その2分ちょっとのために、世界中のサラブレッドとホースマン達は3年間の訓練を積み、その三年分の思いを爆発させる舞台がダービーなのです。
皆さんもぜひ、ダービーの舞台で汗を輝かせるサラブレッドと騎手、調教師や厩務員、馬主、その他関係者へエールを送りながら、ダービーを観戦してみませんか?
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