伝説の名馬エクリプス〜Eclipse first, the rest nowhere〜

競馬

4月1日と言えばエイプリルフール

世界の競馬界を見渡してみると、エイプリルフールと名付けられた馬は世界各地にいます。

由来は4月1日に生まれたからである事が多いが、この4月1日生まれの伝説的競走馬がいる。

エクリプス(Eclipse)

1764年4月1日

イギリスの一部地域で日食が起きていたとされている。

この日に生を受けた馬がいて、日食が起きたことにちなんでエクリプス(日食)と名付けられた。

その競走成績は18戦18勝

当時はまだしっかりとした競馬協会もなく、20戦20勝であったとか、26戦しているという説もあるが、エクリプスが無敗であったことは確かなようだ。

この頃は今のように一発勝負の競走ではなく、ヒート競走と言って、何度も競走を行い、初めに二勝した馬が勝ちという形式をとっていた。

とあるレースで、第1ヒートをエクリプスが勝利した後、後にエクリプスを購入して馬主となるデニス・オケリー氏が放った言葉が後世に長く語り継がれることとなる。

Eclipse first, the rest nowhere.

第2ヒートのスタート前、エクリプスは第1ヒートを圧勝したことからオッズが低くなっており、普通の予想だけでは倍率が低く面白みがないことから、オケリー氏は観衆に向けて全馬の着順に賭けてやると言い放ったのです。

その時の言葉が上記のEclipse first, the rest nowhereである。

意味は「エクリプスが一着、他はどこにもいない」であるが、これは当時勝ち馬から240ヤード以上離されると失格となるルールがあり、このルールによってエクリプスは2着以下の馬をすべて240ヤード(約220m)以上引き離してゴールするという予想であった。

そして、エクリプスはオケリー氏の言葉通り2着以下を240ヤード以上引き離して優勝したのである。

ちなみに、現代で使われる着差である「馬身」は、1馬身約2.4mであり、2着馬が1着馬から10馬身も離されることすらほとんどないことから、220m(約92馬身)という着差がいかにあり得ないほどの実力差であるかは明白である。(もっとも、過去のヒート競走は6000mを超える超長距離の競走が多かったので一概に比較はできないが)

現在でもこの慣用句は語り継がれており、「唯一抜きんでて並ぶものなし」という意味で記載している英和辞典もあります。

子孫への影響

エクリプスはその強さを子孫にも色濃く伝えており、現代に生きるサラブレッドの実に97%はエクリプスの子孫となっています。

日本に限れば驚異の99.85%をエクリプスの子孫が占めており、その影響力の強さを数値が示しています。

さらに、その血はサラブレッドのみならず、クォーターホースやセルフランセといった他の品種にも大きな影響を与えています。

車に与えた影響

こちらは余談ではありますが、三菱が生産している車の車種にミツビシ・エクリプスというものがあり、これは当馬エクリプスからとって名付けられたとされています。(ミツビシ・エクリプスに関してはこちらの記事:馬のエンブレムの車)

エイプリルフールにふさわしい、嘘のような本当の話、ぜひ話のネタとして覚えておいてください。

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